漫画単行本

いけだたかし 「ささめきこと」 2巻 (メディアファクトリー)

純夏→汐の片想いカップルを中心とした女子たち (一部例外アリ) の友情・恋愛模様を、基本コメディタッチに、時に切なく描く百合漫画の2巻目。この巻では、キャラも増えてますます賑やかになってくる一方で、汐の方も我知らず純夏への想いを育みはじめていて…

入江亜季 「群青学舎」 3巻 (エンターブレイン)

入江亜季の読切連作も3巻目。相変わらずの端正な描線に魅力的なキャラたち、そして切れ味鋭いストーリーで、佳作揃いの短編集です。お互い素直になれないツンデレ父娘に挟まれた執事の受難を描く「赤い屋根の家」、1巻につき1話のノルマなのか「続々ピンク・…

いけだたかし 「ささめきこと」 1巻 (メディアファクトリー)

コミックアライブで連載中の百合漫画、「ささめきこと」がめでたく単行本化しました。主人公の女子高生、純夏が恋しているのは、カワイイ女の子のことが大好きな恋多き少女、風間。しかし悲しいかな、文武両道で凛々しい純夏は風間のタイプではなく、純夏は…

よしながふみ 「大奥」 3巻 (白泉社)

よしながふみの「大奥」も3巻目。引き続き家光編で、運命に翻弄される家光と有功の恋愛劇を軸に、男女逆転大奥の形成過程を辿る内容。 この巻も実に面白かったです。よしながふみの闊達なキャラクター描写は健在で、自分ではどうにもできぬ運命に流されつつ…

漫画:松本剛、原作:ファンキー末吉 「北京的夏」 (講談社)

講談社BOXの「松本剛全作品復刊プロジェクト」第3弾は、天安門事件の記憶もまだ生々しい1990年の北京を訪れた日本人ロッカーを描く作品、「北京的夏」。旧版は1993年に発行されていますが、松本剛作品の中でも特に入手困難であり、それゆえ最も復刊を望まれ…

kashmir 「○本の住人」 2巻 (芳文社)

のりこと周囲のアレな人々を描いた4コマ漫画、2巻目。kashmirらしい、おかしな (頭が) キャラたちによるシュールで果てしなく逸脱していく展開、やたら高濃度に散りばめられたゲームアニメその他ヲタネタの数々はこの巻も健在。そしてのりこ兄に興味を示す新…

COCO 「今日の早川さん」 (早川書房)

coco's bloblogで連載中のWebコミックの単行本化。本の虫である5人の女の子たちの生態観察漫画です。ビブリオマニアならずとも、広くマニア性を持った者にとってはツボを突かれる描写がたくさん。内容はWebコミックからの収録がメインでしたが (絵は描き直し…

鈴木志保 「ちむちむ☆パレード」 (秋田書店)

「船を建てる」復刻版と同時発売となった、鈴木志保の描き下ろし新作。巧みなストーリーテリングとラジカルなコマ表現の高度な融合。鈴木志保の漫画表現の、現時点での完成形と言えるでしょう。傑作。 ゾウアザラシと人間の青年の不思議な母子、ご主人様の少…

鈴木志保 「船を建てる」 上巻 (秋田書店)

長く待ち望んでいた復刊。1992年から1996年まで、今はなきぶ〜けに連載された作品で、アメリカに暮らすアシカたちを描く連作短編集。今回の復刊では、集英社版のA5版全6巻を、各巻約400PのB6版上下巻にまとめています。今月発売された上巻は、旧版の1巻から3…

地下沢中也 「預言者ピッピ」 1巻 (イースト・プレス)

出る出ると言われ続けて幾星霜、待たされ続けていた単行本がとうとう本当に出ました。ヤングマガジンでギャグ漫画を描いていた地下沢中也 (ギャグ漫画の方も私はけっこう好きなんですが) が、Comic CUEに「兆 -Sign-」という題名で連載していたSF作品。この1…

井上和郎 「井上和郎短編集 葵DESTRUCTION!」 (小学館)

"38歳萌えるオヤジ" で全国サンデー読者を震撼させたあの衝撃の読切、「葵DESTRUCTION!」を含む、井上和郎の初短篇集がようやく発売。散々待たされましたが、とりあえず小学館GJ。「葵DESTRUCTION!」シリーズ3作、「古書店夜光奮戦記」、「フルスクラッチ・…

松本剛 「すみれの花咲く頃」 (講談社)

1991年に刊行された松本剛の初単行本が、講談社BOXレーベルで復刊。先月の「甘い水」復刊の時には、天下の講談社が阿漕な商売しやがって、普通に重版しろよと思いましたが、こちらの復刊は素直に喜ばしいです。久々に読んでみても実に良いなあ。甘くて苦くて…

こうの史代 「街角花だより」 (双葉社)

こうの史代の新刊。デビュー作である「街角花だより」を含めた、旧作中心の短編集です。こんなのが出てくれるのも人気の賜物ですね。私は全作品初見でした。眼鏡っ娘な店長さんと元OLのバイトさんの、花屋の日常を描いた表題作シリーズを始め、ほのぼの系の…

武富智 「EVIL HEART 氣編」 (集英社)

現在ヤングジャンプに「この恋は実らない」を連載中の武富智が2005年にYJで連載し、単行本3巻で打ち切りになった合気道漫画「EVIL HEART」の続編が、300P超の完全描き下ろしという異例の形態で刊行されました。 お話は3巻の続き。夏休みに入り、舞台はカナダ…

kashmir 「百合星人ナオコサン」 1巻 (メディアワークス)

kashmir 2冊目の単行本。今年はなんていい年なんだ。 ある日みすずの家にやってきた、自称・百合星人のナオコサン。見た目少女だけど精神構造はおっさんで、とにかくちっちゃい女の子が大好きなナオコサンが、みすずたちと繰り広げる不条理でシュールな日々…

佐藤明機 「ビブリオテーク・リヴ」 (コスミック出版)

予定から半月ほど遅れましたが、無事出版されて一安心です。例によってAmazonは当てにならずに、リアル書店で購入……。 旧版との相違点は、まず表紙・裏表紙が新規描き下ろし。巻末に新規のあとがき文。巻頭、巻末カラーは再現されましたが、巻中カラー4Pがモ…

大石まさる 「続・水惑星年代記」 (少年画報社)

前巻「水惑星年代記」から4ヶ月で続巻発行。いいペースですね。この巻もたいへんいい出来です。カケアミ系の暖かみを感じさせる絵柄の完成度は相変わらず。楽しそうな女体描写も相変わらず。頭身の高い大人の女性が多いですが、スク水ロリっ娘もちゃんと出て…

kashmir 「○本の住人」 1巻 (芳文社)

眼鏡ショートな小学生、のりこが周囲のへんな人たちと送る日常生活を描いたほのぼのブラックなギャグ4コマ。散りばめられたマニアックなネタの数々が、実に的確にオタク心をくすぐってきます。誰にでも勧められる漫画ではありませんが、オタクを自覚している…

佐藤明機 「楽園通信社綺談」 (コスミック出版)

さあ、ついに復刊されましたよ。巻中のカラー8Pがモノクロになっている以外は、特に加筆修正もない模様。予約しておいたAmazonがいつまで待っても送ってこないので、本屋で買ってきてしまいました。2冊になるけど、まあいいや。 新聞社に記者として招かれ、…

幸村誠 「ヴィンランド・サガ」 1巻/2巻 (講談社)

旧版も持っているんですが、版が大きくなったので購入。 内容はもう、何をか言わんやです。ただ今読み返してみると、1巻冒頭に出てきたガマガエル将軍は明らかに世界観から逸脱してますね。やはり少年誌向けのチューニングだったんでしょうか。早いとこアフ…

Cuvie 「ドロテア〜魔女の鉄槌〜」 3巻 (角川書店)

エロくない方のCuvie。3巻目。実在の中世ヨーロッパが舞台。魔女狩り、異端審問、宗教を発端とした戦争をガツガツ描写していく骨太のストーリー展開は変わらずです。 3巻ではドロテアがザクセン大公に謁見。故郷ナウダースの窮状を知り、援助を乞います。少…

入江亜季 「コダマの谷 王立大学騒乱劇」 (エンターブレイン)

こちらはビームコミックスですが、エンターブレインで発表した作品はなく、個人誌として発表した「コダマの谷」シリーズと、「ぱふ」に連載された「フクちゃん旅また旅」の2本立て。両方とも初見でした。 「コダマの谷」は、中世王国時代の王立学院モノ。む…

入江亜季 「群青学舎」 1巻 (エンターブレイン)

さて、今年出る漫画単行本の目玉の一つ、入江亜季の初単行本2冊です。 「群青学舎」は現在もビームで連載中の読切連作。学舎モノということで、一応学校が舞台になっている作品が多いですが、まあ毎回かなり好き勝手に描いてます。1巻には「白い火 (後編)」…