いけだたかし 「ささめきこと」 2巻 (メディアファクトリー)

純夏→汐の片想いカップルを中心とした女子たち (一部例外アリ) の友情・恋愛模様を、基本コメディタッチに、時に切なく描く百合漫画の2巻目。この巻では、キャラも増えてますます賑やかになってくる一方で、汐の方も我知らず純夏への想いを育みはじめていて、少しずつ変容していく純夏と汐の関係も見所です。
白眉だったのが、田舎に帰った純夏からの連絡を待つ汐のお話。一言でいいから声が聞きたいという想いが溢れ出る様を、テクニカルなコマ構成で見事に演出していて、切なくも唸らされる一編。交互に配置された対称性のあるコマが生み出すリズム、そして空間を超えた雑踏の中でのすれ違い。いけだたかしのコマ構成力の高さが遺憾なく発揮されています。
あとは、少女小説大好きで同人活動にも勤しんでいる新キャラの蒼井さんもたいへん素晴らしかった。純夏が同好の士であると知り、舞い上がって壮大な空回りを演じてしまう姿がもう痛いのなんのって。
アライブでは今も連載継続中であり、3巻も今秋予定とのこと。順調なようで何よりです。いけだたかしについては、小学館が死蔵しているビッグコミック系の短編や、FADE OUTの続きが単行本になるのを首を長〜くして待ってるんですが、そのためにもまずは単行本実績。