kashmir 「○本の住人」 1巻 (芳文社)

眼鏡ショートな小学生、のりこが周囲のへんな人たちと送る日常生活を描いたほのぼのブラックなギャグ4コマ。散りばめられたマニアックなネタの数々が、実に的確にオタク心をくすぐってきます。誰にでも勧められる漫画ではありませんが、オタクを自覚している人なら楽しめるでしょう。
のりこの両親は既に他界し、児童向け絵本作家の兄と二人暮らし。

そして ゆうしゃは いっしょう ようじょに ふじゆうせず しあわせに くらしました

とかいう感じの本ばかり描いている兄は、重度なダメオタクかつロリコン。生活能力にもかなり欠けていて、家事全般から家計管理に至るまでのりこに頼り切りです。こんな兄を始めとした周囲の奇人、変人たちに振り回されるのりこを鑑賞する漫画です。1巻ということで続きもあるようですが、この巻の終盤になると、のりこはダメな兄にあきれつつも、少しずつデレてきているような感じがあって、続きが妙に気になります。
kashmirは最近になって一般商業誌での活躍が目立つようになりましたが、なんだかんだでこれが初の商業単行本なんですね。これで人気に火がついて、エロい原稿の方もまとまってくれると嬉しいです。