レ・ミゼラブル 少女コゼット #09 「テナルディエの悪だくみ」

マドレーヌ市長の一存で放免となったファンティーヌでしたが、体は既に病魔に冒され、もう長くはありません。市長は急いでコゼットを呼び戻そうとするものの、これをいい金ヅルと見たテナルディエ夫妻は大金をふっかけて、コゼットを返そうとしません。自らコゼットを迎えに行こうとする市長でしたが、ジャヴェールの口からジャン・ヴァルジャンと見られる男が捕えられ、明日にも終身刑が言い渡されると聞かされます。
ストーリーが山場にさしかかり、盛り上がってきました。自分の過去の罪を背負わされそうになっている男を見捨てるわけにはいかないが、哀れなファンティーヌを娘に会わせぬまま死なせてしまうのも忍びない。さらには、一人の男を助けんがために自分がジャン・ヴァルジャンであると名乗り出ることは、自分が助けてきた者たちを見捨てることになる。私心を捨て去ってもなお悩むマドレーヌは、次回の見所になるんでしょう。
そして非情な役回りばかり演じているジャヴェールも、けして悪人ではなく、己が信じる正義と職務にどこまでも忠実なだけなんですね。自らの過失をも厳しく罰そうとする無私の姿勢はマドレーヌともいい勝負で、この2人の対立が実に見応えのあるドラマを作り出します。
しかし、次回のサブタイが「迷いのマドレーヌ」というのに、予告映像で裁判所に行っているマドレーヌを見せてしまうのはちょっとなあ。今回は海外作画回でしたが、このレベルなら安心して見ていられますね。