天保異聞 妖奇士 #18 「漂泊者の楽園」

小笠原さんが手を回したことで、鳥居襲撃に失敗する山崎屋一行。山崎屋の残党は、往壓らが山崎屋から持ち帰った妖夷を取り返すために小笠原邸を襲撃するが、というお話。
里の暮しが辛くて漂泊の民に憧れる者、山の暮しに耐えられず異界に逃げた者。理想の楽園などどこにもなくても、人はここではないどこかを求めるという、本作の基本テーマに落ち着いての締めは悪くはなかったです。しかし、山崎屋が小物と化して退場してしまったのが残念だなあ。危険な領域だとは思いますが、それだけにもっと踏み込んで欲しかった。まあ妖夷と人の異種交配なんてネタだけでも、充分に踏み込んだエグい話ではありますが。アビとニナイの間にあったものが単なる兄弟愛ではなかったことも含めて、見応えはありました。
珍しく小笠原さんが格好良く活躍。本意ではない刀の使い方ばかりする人ですが。妖夷相手でなければそこそこ役に立つんですね。