地獄少女 二籠 #18 「あのひとの記録」

父と2人暮しの社会人、里奈。結婚を間近に控えた頃、交通事故で介護が必要になった母を引き取ると父が言い出します。母は里奈がまだ幼かった頃に、男を作って家を出て行ったきりでした。結局里奈の反対を押し切って父は母を引き取るものの、母は横暴な態度を取り続け、父や里奈を憔悴させていきます。そのうち結婚話にも黄信号が灯り、思い余った里奈は地獄通信にアクセス、という話。
複雑な家庭の事情はあるものの、基本構造は介護問題そのものです。憎い人でも介護は必要だけど、そのために家族の生活や将来が崩壊してしまうとしたら。父と母の複雑な過去や、里奈の出生の秘密といった要素は、むしろ話を生々しくし過ぎないための配慮でしょう。それでも「ちょっと様子を見よう」(意味:死ぬまで待とう) なんて話はたいへん生々しい。
善悪では片付かない問題を提示し、モヤモヤしたものを残したまま後味悪く終わるという意味で、たいへん良い地獄少女でした。満足。全編里奈のモノローグだったのは、ちょっと芸がないなあと思いましたが。
そして、こんな重苦しい話の後に次回予告が裸まつりで引っくり返りました。次回「湯けむり地獄、旅の宿」。閻魔あいがついに脱いだ!?