僕等がいた #26 (最終回)

東京へ行く矢野を見送る最終回。KS駅……ああ、釧路が舞台だったんですね。
矢野を待つと誓い、改めて竹内くんを振る七美。竹内くんも、一年間は七美に手を出さないと矢野に約束しますが、まあでも一年間は長いですからね。やっぱり近くにいる方が強いに決まってます。
去り行く矢野を見送りながら入る「僕達は確かに、ここにいた」(過去形) から始まるモノローグが、今後もすったもんだの展開が続くことを予想させるラスト。この先は漫画でどうぞ、ということですね。原作が未完であることを考えれば、これが最良だったと思います。
そして、このモノローグの口火を切るのが竹内くんである (ですよね? 竹内くんと矢野のモノローグは意外なほど声質が似ていて、いまいち確信が持てないのですが、そうと仮定して) ということが、また面白いところです。「ここからいなくなる」矢野を見送る視点であるということ、またこのモノローグが「彼を好きになって」と繋がっていくこと。
そして山本さん。

「東京には、欲しいものがあるの。どうしても、欲しいものが」

OK。それでこそ山本さんですよ。

総括

力のあるストーリーに引っ張られて、最後までたいへん面白く見ることができました。個人的には、矢野と七美のすったもんだは長過ぎて途中からどうでも良くなってしまいましたが、そういう視聴者にも竹内くんや山本さんといったキャラが用意されていたのが大きかったです。特に山本さんは、間違いなくマイベスト眼鏡キャラオブザイヤー。
アニメとしてのこの作品は、ギャグ系ではなく、ノイタミナ枠のような所謂オシャレ系でもない王道恋愛モノ少女漫画として、アニメ化されたこと自体が画期的なことのように思えます。紡木たくくらもちふさこいくえみ綾あたりの系譜に連なる恋愛モノ少女漫画のアニメ化としては、一つのスタンダードを作ったとまで言えるんじゃないでしょうか。
作画面では正直なところ相当厳しかったと思いますが、枚数かけないところを「演出」として胡麻化すテクニックを最大限に駆使して、うまくカバーをしていたと思います。