あさっての方向。 #08 「あさっての方向」

家を飛び出し、街に出たからだの回。
Aパートは、からだの子供らしい無力さを丁寧に描写。現代日本版「本当は怖い魔女の宅急便」といったところ。働く場所も住む所も見付からないのはまあ当たり前として、中身12歳であんな田舎暮しじゃ警戒心も薄いだろうから、悪い奴にホイホイ付いていったりしないかとハラハラして見ていたら、案の定絵に描いたようなチンピラやホストが寄ってきて笑いました。とりあえず風俗がやばいところだという位の知識はあったようで、今回は無事回避しましたが、どんどん追い詰められていっているので、まだ安心できません。
Bパートはからだの長い回想で、家を出た動機を解説。尋とは本当の兄弟ではないことを知っていたからだ。「自分のために犠牲になっている尋を解放してあげたい」という歳に似合わぬからだの大人びた考えは、ここに原因があったんですね。尋と椒子の写真が、尋がからだのために捨ててきた幸せの象徴として映り、尋を解放したいというからだの長年の宿願に火がついたということですか。
からだと尋、お互いに血が繋がってないことを相手には隠しながら暮すという、仮面家族的な歪みが表出した格好。とすると、お互いに本音を曝け出して新たな関係を結びなおす展開が待っているわけですが、それが兄弟なのか、はたまたそれ以外の何かになるのかが問題ですね。とりあえず、もう一方の当事者でありながら尋にまったく相手にされていない椒子は、次回くらいでちょっとでもフラグを立てておかないと切り込む余地もなくなりそうです。
しかし、尋を一撃のもとに撃墜したからだの「お兄ちゃん」という台詞が、ちゃんと練習していたものだった、というのはなんだか可笑しかったですね。一撃で仕留められ、全てを捨てて養ったというのに用が済んだらポイ捨てされた尋が、なんだか哀れに見えてきます。悪女ですね、からださん。