僕等がいた #09

初エッチ、未遂。え〜。

「順番に、脱いでく。てゆうか、脱がして」
「……ワァオ」

とかやった挙句、遂行直前に親帰宅というオチ。
しかしいつも通りの細やかな演出で、セックスに至る二人の心情を実に丁寧に描写していて、やっぱり見ていて悶え転がってしまうのです。胡麻化さず、美化し過ぎず、テンション上げ過ぎず。浮ついてクサいセリフを吐いてしまうことに対するツッコミも自ら入れながら、どこか地に足のついたセックス描写は、少女漫画原作ならではですね。男の子向け、あるいは男性オタ向けアニメでは、逆立ちしたってここまではできないんじゃないかな。見る方も作る方も恥かしすぎて。
後日、手っ取り早くホテル代を稼ぐために手持ちの品々を友人に売り付けはじめる矢野。一刻も早くリベンジしたくてたまらない矢野に対し、七美は「シチュエーションに拘りたい」と宣い、「東京ネズミーランドだったらもっと最高」と、矢野に貯金箱を押し付けます。「多分卒業旅行までは」って……。この作品で私、初めて心から矢野に同情できました。
しかし、そんな二人を外周から見ている山本さん、竹内くんの描写も忘れないのがこのアニメのすごいところです。山本さんの持っていた詩集に挟まっていた写真には、矢野、竹内くん、奈々さんの3人が写っていて、それを見た七美は、というところで以下次回。いや、毎回実に面白いです。絵コンテ:大地丙太郎・そ〜とめこういちろう、演出:宮下新平。