結界師 #52 (最終回) 「黒芒楼の終焉」

黒芒楼編終幕、そして日常に回帰した良守たちの妖退治はこれからも続くエンド。最終回といって、さして特別なことをするわけでもないのがこの作品らしいと言いますか。それでも金色の芒野原に消えゆく姫と白のシーンは、やはりたいへん美しくて印象的でした。
憎きラスボスを倒してバンザイというようなカタルシスのある話ではないので、良守サイドではモヤモヤの残るしめくくりなんですが、これも作品の持ち味のうち。原作からして王道バトル漫画のお約束をあちこち踏み外している作品で、人気取りという観点からは明らかな弱点でもあるわけですが、でもそうでなければこの不思議に切ない余韻は生まれてこないわけで。いいものを見せて貰いました。
最後の作監はやはり高谷浩利で、バトル回ではないものの端々にキレのあるアクション。

総括

終始上質な作りのアニメで、毎回楽しかったです。特にサンライズ回のバトルアクションは本当に見所が多くて眼福でした。改編期の度に潰れまくる放送枠、更には深夜送り & 大幅なネット局の減少と、場外であれこれミソがつきながらも、4クールを誠実に作り切ったスタッフには惜しみない拍手を。次回作にも期待します。
終わってしまうのは残念ですが、総体として見れば長期化した少年誌アニメにつきものの弊害と無縁のまま終われたことは、原作ファンとしては幸せなことだと思います。まあ動く無道さんやジュリアを見てみたい気持ちも確かにありますが。