電脳コイル #26 (最終回) 「ヤサコとイサコ」

デンスケの助けを借りて現実に帰還したヤサコ。そして、かつて自分のために作られた電脳治療空間「4423」に囚われそうになるイサコを、ヤサコが引き戻します。居心地よく作られた閉塞世界から、痛みの伴う現実へと。
例によって説明台詞の羅列にはなったものの、拾える伏線はあらかた拾った上で、ヤサコとイサコ、2人の成長物語として意外なほど綺麗に着地してくれたと思います。個人的には、これだけユニークで魅力的なガジェットをふりまいておきながら、ネバーランドとの訣別というあまりに普遍的で通俗的なオチに落ち着いてしまったのは拍子抜けではあるんですが、まあいいや。

  • オジジが! ヤサコパパが! ずーっと影の薄かった小此木家の男連中の活躍にニヤニヤ
  • しかしなんだ、ホント都合良く記憶障害起こしてる人ばっかりだ
  • エピローグでまたもイサコにトモダチ攻撃を繰り出すヤサコには笑いました。スッポンの如き執念だなあ

総括

最大の美点はやはり作画。元気良く走り回り、勇ましく戦い、時には思い悩むキャラたちの魅力を存分に引き出した作画は、本当に素晴らしかったです。TVアニメとしてこれ以上は望めない水準の作画を毎週維持してくれたスタッフには、最大限の感謝を。
ストーリー面では、電脳メガネとそれが生み出す仮想ガジェットを使って、縦横無尽に遊び回る子供たちを描いた前半のお話がお気に入り。個人的には、そこからSFとしてのテーマが広がっていくものと期待していたので、後半話が絞り込まれていくにつれ単なるビルドゥングスロマンに収まっていってしまったのは残念なところ。そんなわけで個人的ベスト回はやはり12話、「ダイチ、発毛す」。