レ・ミゼラブル 少女コゼット #46 「ジャヴェールの正義」

ジャン・ヴァルジャンとジャヴェール、最後の対決。ジャンを連行しようとするジャヴェールでしたが、ジャンの熱意に押されて (あるいはそのつぶらな瞳に眩惑されて)、マリウスを実家に送り届ける手助けをしてやります。その後、コゼットに別れを言うジャンためにロマルメ通りへ馬車を回したジャヴェールでしたが、再び表に出てきたジャンの前から馬車は消えていて。
犯罪者であるジャン・ヴァルジャンを見逃し、警官として決してぶれてはならなかった絶対の正義を、ついに自ら歪めてしまったジャヴェール。他者同様、自分自身の過誤も絶対に見逃さないジャヴェールの橋の上での苦悩は、これまで積み上げてきた彼の人間性描写の集大成であり、松山タカシの大熱演と相俟って素晴らしいテンションでした。内在する矛盾に耐え切れず、ついには自ら命を断とうとするジャヴェールをジャンの「人は変わることができる」という言葉が引き止め……って、あれ? ジャヴェールまでジャンに救済させてしまうんですか。まあこれはこれで感動的ではあるんですが、ここにきて決定的に子供向けに舵を切ってしまったなあ。