レ・ミゼラブル 少女コゼット #24 「リュクサンブールの出会い」

「君を革命に入学させなきゃならん」

マリウスくんを共和派の若者の集い、「ABCの友の会」に誘うクールフェラック。マリウスの耳許で囁くのがなんかエロいぞ。今はカリカリの帝政派になっているマリウスくんは、ナポレオンを揶揄する共和派の面々の前で「ナポレオンは偉大な皇帝だ」と一席ぶちますが、彼等を言い負かすことは出来ず、強いショックを受けます。元々父の影響で帝政派にかぶれたマリウスくんですし、この分だと共和派にも簡単にかぶれそうですな。
コゼットが「王様が変わった」と言うのは、1830年の7月革命でルイ・フィリップが王位に就いたこと。ブルボン王朝からフランス革命による共和制、ナポレオン帝政、王政復古、7月革命と、激動するフランスの政治体制がストーリーに絡んでくるようになりました。
一方で、ジャン・ヴァルジャンと一緒に貧しい子供たちに食料を配っていたコゼットは、リュクサンブール公園でついにマリウスと出会います。お互いに相手を強く意識するものの、一言も交わすことはなく。しかし翌日から身なりを正して、毎日公園に通うようになるマリウスくん。コゼットに声を掛けられずに、近付いては戻りを繰り返すマリウスくんはまんま不審者で笑いました。しかしまあ、主義に恋にと忙しく悩むマリウスくんの青臭さは、実際堪らんものがあります。なんと眩しくも恥ずかしい青春。
マリウスに会ってからというもの様子のおかしいコゼットを心配するものの、その正体にはとんと思い至らない朴念仁のジャン・ヴァルジャン。トゥーサンの方は察しが良いです。公園に出掛けるマリウスを窓から見詰めるエポニーヌは今回も幸薄そうで良かった。自分が世話をしていた花をコゼットに貢がれてしまうあたりも、今後の展開を暗示しているようで実に切ないです。