週刊少年サンデー 14号

尹仁完梁慶一「JUNGLE JUICE!」。読切46P。これはびっくり、サンデーGXで「新暗行御史」を連載中の韓国人漫画家コンビが週刊少年サンデーに登場です。ストーリーが終盤にさしかかっている「新暗行御史」終了後を睨んだ布石と考えるべきでしょうか。超強力蚊取線香の副作用で、様々な昆虫の遺伝子に感染した子供たちが現れるようになった世界。弱肉強食をルールとする感染者同士の戦いに巻き込まれた少年が、知らずに受け継いでいた蟻の能力「怪力」で敵を倒す、といったお話。
元々画力は折り紙付きの作者ですが、美麗なキャラ、ハッタリの効いたアクション、グロ描写も含めて期待通りの見応えある出来。月刊でも多い時には相当なページ数をこなしていたので、週刊連載能力もまあ問題ないのではないかと思います。ストーリー面にはさしたる目新しさは感じませんが、手堅くまとまっていたので問題なし。少年誌的にはかなりきわどいグロ描写もありますが、ダレン・シャンが載ってる雑誌なら大丈夫でしょう。どことなく野暮ったいガジェット (この作品なら蚊取線香とか) を好むのも持ち味のうちですが、少年誌での受けに繋がるかどうかは未知数かなあ。「爆弾甲虫」は創作かと思ったら、ヘッピリムシ (bombardier beetle) のことなんですね。
難点を挙げるとすれば、少年誌らしく少年を主人公に据えましたが、この作者の少年キャラはデフォルメが強くて、大人キャラの美麗さと比べると見劣りするというところでしょうか。同じ少年主人公にしたって、もう少し年齢を上げた方が持ち味を生かせると思いますが、これも「少年サンデーの目指す低年齢路線」故?
これが連載に繋がるとすれば、GXのエースを少年サンデーが引き抜く格好。月刊誌で名を為したビジュアル系実力派を週刊誌に引っ張ってくるというのは講談社の十八番ですが、サンデーがやって上手く行くのかどうか、要注目ですね。うがった見方をするなら、それほどサンデーの新人枯渇は深刻なんでしょうし、GXの編集長交代も影響してるんだろうなあと思ったり。
井上和郎あいこら」。ただのオタクじゃない、超ハードゲーマーだった弓雁。例によってハチベエの策略により、とあるゲーセンに無敵のアーケードゲーマー、スク水バニー仮面として参上! その格好だけで半端ない破壊力だというのに、あろうことかその姿でハチベエにキスを要求。悶絶です。