レ・ミゼラブル 少女コゼット #03 「新しい友だち シュシュ」

児童虐待全開! 箒で何度も引っぱたかれ、倒れて動かないコゼット。さすがに直接的な暴力描写は避けましたが、それにしたってラストシーンがこれというのは相当にきつい。名作劇場にはつきもののマスコット登場をダシにしてこんな虐待描写をしてしまうところに、スタッフの底意地の悪さと、とことんやるぞという本気を感じますよ。
お使いの途中で子犬を見付けたコゼットとガヴローシュ。シュシュと名付けて一緒に遊んでいたら懐いてしまい、結局宿屋まで付いてきてしまいます。テナルディエの奥さんに見付からぬよう必死に隠すコゼットとガヴローシュ。子犬がついてきてしまうあたりから、もう見ている方は不安で一杯でハラハラし通しだったんですが、翌朝ついに見付かって、テナルディエの奥さんによるコゼット虐待。その後シュシュはどうなってしまったのかと思いましたが、予告で大きくなった姿を見せてくれたので一安心。まあしかし、自分自身が食うや食わずやの状況なのに、ついほだされて子犬を匿おうとしてしまうあたり、あのユルい (頭が) 母にしてこの子ありといいますか。
あと注目点としては、叱られるコゼットを見ているエポニーヌ・アゼルマ姉妹の描写。はじめからコゼットを嘲りニヤニヤしている姉のエポニーヌに対し、より幼いアゼルマは、はじめどう反応するべきなのか分からずキョトンとし、その後姉につられて笑いだします。さらに遡れば、初めて会った時にはコゼットと仲良く遊んでいた姉妹が、母親のふるまいを見てコゼットへの態度を変えていったところから繋がっているわけですが、二人とも根っからの意地悪ではないんですね。いじめっ子でも、単純に悪い奴という薄っぺらい描写をせず、環境が良くも悪くも人を作っていくという過程を丁寧に見せています。