天保異聞 妖奇士 #15 「羅生門河岸の女」

吉原編、後編。南町奉行所に追われ、吉原内を逃げ回るアトル。羅生門河岸、御歯黒溝、投げ込み寺の無縁仏となった遊女の平均年齢、28歳で年期が明けた遊女の行く末といった吉原の暗部を、アトルを狂言回しに紹介していきます。単純にいい悪いで片付けるのではなく、吉原の持つ光と影、その猥雑な魅力をよく描写していて面白かったです。
話の軸になるのは、下級女郎でありながら男に頼らず自分一人で生きる道を探す清花と、同心、市野の清花への純愛。吉原での色恋の常として、悲劇的な結末を迎える2人。結局あの蝶の妖夷がなんだったのか、どうして市野まで乗り移られたのかはよく分かりませんでしたが、蝶に化身した清花が夕日の中で崩れていくクライマックスは美しかったです。
さて、冒頭に大見得を切ってアトルを連れ出した狂斎でしたが、あまり話には絡まず、最終的にアトルにも振られます。だいぶ情けない感じですが、まあアトルを諦めた様子もありませんし、次回予告に登場しているので、今後の活躍に期待しましょう。