コミックビームFellows! 1, 2

A5版で書籍扱いですが、実質コミックビームの増刊が2冊同時発売。「ビーム史上初の特別編集企画」と題してはいましたが、オール読切で、本誌から主力作家を数人投入して客を呼びつつ、ゲストや新鋭の読切をたくさん載せて反応を見るという典型的な増刊の作り。
岩原裕二福島聡竹谷州史森薫といった本誌連載組はさすがに安定した出来。そして残りがゲストと、ビームが抱える連載未満の作家たちのとんがった読切作品群。ゲストは三部けい雁須磨子山名沢湖、湯浅ヒトシ、松本レオといったところ。松本レオの登場は意外でしたね。あとめぼしかったのは鈴木健也、中島あつき、宮田紘次、百名哲、長野香子あたりでしょうか。
数年前ならこういった読切作品も平気でビーム本誌に載っていたんですが、今ではすっかり保守的な紙面作りをするようになってしまいましたからね。本誌から弾き出されて活躍の場をなくした作品を集めて作った雑誌、という印象です。ビームがかつて失った半身を見るかのよう。
ビームらしく筋のいい作家ラインナップで、濃い読切がたくさん読めたので全体的に満足度は高いのですが、それでも1冊あたり470Pで924円はちと高い。同じことなら雑誌として出してくれた方が、版は大きいし安いし、読者としては嬉しいです。さらに言えばわざわざ増刊などにせず、こういった作品群もビーム本誌に載っていてほしいのですけどね。