ウィッチブレイド #24 (最終回) 「光」

大量のIウェポンを破壊し続ける雅音。その雅音に引かれてやってくるまりあたち姉妹。結局姉妹たちもIウェポンも、ウィッチブレイドの母性に引かれて集まってきていたのでした。まりあたちとの結着をつけた雅音は、最後に自分を目掛けて集まってきたIウェポンを、ウィッチブレイドと自分自身ごと光になって消滅させます。消滅する東京タワーと、散っていく光を見守る梨穂子と鷹山、というラストシーン。母娘の物語としてはきちんとケリがついた、感動のラストでした。
ただ、周辺の人物に関しては、詰めで駆け足になってしまった感は否めませんね。
まりあが求めていたものが母親であるということは、まあそうだろうという描写はされていたものの、なぜその心境に至ったのかという理由づけが「子供だから」というのではいささか弱いと思います。本来は梨穂子のライバル的な位置に立つべきキャラだったと思うのですが。やっぱり玲奈を殺すのが早過ぎたんじゃないかなあ。
斗沢も、物語を通じて取り組んできた仕事の集大成が、中継ヘリからの証拠のないスクープというのではちょっと可哀想。あんな非常時に中継でアナウンサーが喋ってることなんて、誰が信じてくれるんでしょう。カメラマンらしく写真を撮るというラストがくると思っていたんですが。まあエピローグなしで収拾をつけるには、これしかなかったんだというのは分かりますけど。
西田に至っては、特に使い道もないんだけど、生かしておくと不吉な伏線のように見えて困るからという理由で殺されたとしか思えません。もっと早くに退場させておいてもよかったんじゃないかな。
そして、あの光の中でウィッチブレイドも消滅したということでいいんでしょうか。お話としてはそう解釈するしかないと思いますが、何も説明がなかったですからね。
桜井さんがちらっと出ていたのは良かった。

総括

エロ&バイオレンスを売りに始まったこの作品、回を追うごとにバトルは減っていき、どんどん親子愛を中心にした濃密な人間ドラマにフォーカスされて行きました。この路線変更が当初からの狙い通りだったのか、それとも制作状況の問題でこうせざるを得なかったのかは分かりませんが、いずれにせよ私としてはこの路線で大満足。いいものを見せてもらいました。
作品の魅力の大部分は、脚本に負っていると思います。各話単位でも作品の構成としても、非常にいい仕事をしました。能登麻美子の母親役というのもどうなることかと思いましたが、よくはまってましたね。