COMICリュウ 11月号 (創刊号)

徳間書店の新創刊漫画誌。徳間のオタク向け漫画雑誌としてはキャプテン以来だと思いますが、この雑誌にキャプテンの名前を付けられないあたりに、オトナの事情を感じますね。創刊号には押井守撮り下ろしの「立喰師列伝」外伝、「女立喰師列伝」DVDが付録。押井フリークならこれだけでも元は取れるでしょう。
安彦良和吾妻ひでお鶴田謙二等の大御所が並ぶラインナップが楽しみだったんですが、フタを開けてみれば、その多くはあからさまなゲスト扱いだったりエッセイまんがだったりで、正直がっかりでした。彼等の尻を叩いて大型連載を立ち上げるほどのディレクション能力はなかったようで。鶴田は「おもいでエマノン」の漫画化ということで一応連載扱いですが、まあ鶴田のこと、いつ連載が止まっても不思議ではありません。
やる気のありそうな新連載は、宮部みゆき中平正彦ドリームバスター」、京極夏彦・樋口彰彦「ルー=ガルー」、大塚英志騎崎サブゼロ「三つ目の夢二」あたりの中堅、新進な漫画家が描いてるもの。あとは安永航一郎を久々に見られたのが嬉しかったです。石黒正数も面白かったですが、この人のは他所で描いてるのと同じノリですね。伊藤伸平は仕事がないなんてネタをエッセイ漫画にするくらいなら、ストーリーもの描いてよ、と思います。
ラインナップを見てわかるように、徳間なりの独特の人脈は魅力的なので、ダラダラでも続けてさえいれば、自然と雑誌としての存在価値も出てくるだろうと思いますが、じっくり付き合うだけの覚悟が徳間にあるのかどうかが問題ですね。短期的には、ゲストの大御所さんたちが抜けていった穴を誰が埋めていくのかが気になります。とりあえずがぁさんは拾っといてください。