ポルフィの長い旅 #35 「信じるこころ」

雷雨の中を歩いて風邪を引き、修道院に担ぎ込まれるポルフィ。幸いすぐに回復するものの、両親を失った地震を神の与えた試練だと言う神父にポルフィは反発して、というお話。冒頭の雷雨の表現や、普段よりも間をゆったりと取った風景描写が印象的でしたが、絵コンテが安濃高志でした。
ポルフィを助けた巡回神父のジュリアーニ役に池田秀一。過去の話が出ると「フッ……ここの良いところは、ワインとチーズが美味しいことですね」とか言って話題を逸らしてしまう食えない感じが、いかにも池田キャラっぽくて笑ってしまいました。クワトロ大尉! 過去の辛い体験から神を信じられないポルフィに、優しくかける言葉が印象的。

「希望を忘れず、信じることを捨てず、探すことを諦めずに旅を続ける君は、僕が理想とする信仰の姿だ」 (ジュリアーニ)

脚本はシチリア編を担当していた司馬元。1950年代という時代設定もあるんでしょうが、宗教との関わり方が現代的で面白いです。あと修道院長に大木民夫
一方今回のミーナパートは、負けが込んでいるカードの賭け代にミーナを差し出そうとするカルロス先生の外道劇場。すんでの所でイザベラにぶん殴られて止められたと思ったら、今度はそのイザベラを賭けようかって相談を始めるんだから、鬼畜もここに極まれりだ! まああの容姿でこんな外道の夫がいたら、借金のカタに春を売らされるのも日常茶飯事なのかもなあ。惚れた弱味で別れられないイザベラの描写といい、なんともアダルトな話。しかし今回に限らず、子供向けアニメがタブーにしがちな社会の暗部や大人の性を、薄いオブラートに包むだけでホイホイ出してくるよなあ。