ポルフィの長い旅 #34 「天使へのプレゼント」

道端でトラックに乗ったおじさんに拾われて、どことも知れぬ町へ連れて来られたポルフィ。おじさん一家の暖かい歓待を受け、親切な町の人たちに安堵したのもつかの間、町の様子にどことなく違和感を覚え始めるポルフィ……。というわけで、脚本なんと山本麻里安によるホラー回。「桃華月憚」での山本脚本をよほど気に入ってたんですね、望月監督。
いやあ怖かった! 高い城壁に囲まれた閉塞感、少女たちの「かごめかごめ」そっくりな遊戯。一見穏やかで平和な町の描写から、濃厚に立ち上ってくる死の匂いが秀逸です。桃華月憚の桃花イジメ回もそうでしたが、山本麻里安は暗い脚本書かせたら光るなあ。アンジェラおばあちゃんの部屋の扉や、薄く開いた井戸の蓋の前までは行っても、あと一歩を踏み出してその正体を確かめる勇気の持てないポルフィ。「見せない」ことでより増大していく恐怖の演出も素晴らしい。絵コンテ:望月智充