ARIA The ORIGINATION #13 (最終回) 「その 新しいはじまりに…」

灯里のプリマ昇格を機に、アリシアさんは衝撃の寿引退。一人になった灯里は、寂しさに心揺れながらも絆を胸に新たな日々へ。そして受け継がれていく想い。いやあ、見事な最終回でした。
アリシアさんの結婚は事前情報で知ってはいたんですが、世代を越えて受け継がれていく想いという本作 (少なくとも3期) のテーマを、人の営みに帰結する形で見せてくれたことに、個人的には大満足です。旦那が影すら出てこないのがちょっと可哀想でしたけど。
前回に引き続き佐藤順一コンテで、灯里とアリシアさんの告白合戦、引退セレモニー、思い出に後ろ髪引かれながらも前に踏み出しシャッターを開ける灯里と、見所の連続をきっちり押さえた充実の内容。作画スタッフも最終回仕様で、原画に伊藤郁子和田高明、玉川達文、井上英紀、追崎史敏ら。

総括

足かけ4クールに渡ったARIAシリーズの締めくくりとして、素晴らしい出来の第3期でした。原作とぴったり歩調を合わせての終幕という離れ業を、このクオリティで纏め上げてしまった佐藤順一監督はじめアニメスタッフ、そしてハルフィルムに惜しみない拍手を贈ります。原作側との緊密な連携も窺えて、けしてメディアミックスが上手いという印象は持っていないマッグガーデンですが、ことARIAに関しては素晴らしい協力関係が築けた様子。
全体が幕引きに向けてがっちりと構成されていた今期は、遊びがない分ARIA特有の緩い空気感が幾分後退していましたが、これは致し方のないところ。2クールあればまた違ったのでしょうが。個人的には、ARIAの緩さは過剰になると鼻につく質なので、このくらいの塩梅で丁度良かったです。
作画面では歴代ARIAシリーズ最高といえる充実ぶりで、これ以上はちょっと望めない水準の映像を毎回見せてもらって眼福でした。単に丁寧な仕事というだけではなく、各話の演出、作画スタッフが、各々の個性を生かす方向で仕事をしている感じだったのも、個人的には好感触。