ピアニッシモ vol. 1

ポプラ社の「コミック ピアニッシモ」がリニューアルして新創刊。佐藤明機鈴木志保がいると知って、今更ながら購入しました。
佐藤明機「パラダイスバード」。新連載14P。一般の商業誌に登場するのはいつ以来なんでしょうか。月の出町商店街を訪れた主人公の少女。亡くなった祖父が経営していた小さな古書店に越してきたのですが、店の中には本を盗み読みしていたツインテール少女がいて、彼女の案内で「月の出町 "うら側" 商店街」に案内される、というはじまり。作者サイト (佐藤明機事務所) のトップページにサンプルが2Pあります。
舞台は一応杉並区阿佐ヶ谷近辺のようですが、ものの数ページも行かないうちに「みみずうどん」「いや〜ん」等の意味不明な看板、そして怪しい踊りを踊っている変人やら巨大猫やらが現れて、まあつまりはいつもの佐藤明機ワールド。来訪者である主人公が、街の不思議な部分を垣間見るという導入は「楽園通信社綺談」と同じ (来訪者が主人公でないというパターンも合わせれば「ビブリオテーク・リヴ」も)。巨大立体迷宮や環境切片等の、ファンにはお馴染なモチーフも登場し、ああ佐藤明機が帰ってきたんだなあと実感できる第1話。堪能しました。「今や売るに売れない昔のロリ写真集」なんて、雑誌の空気を全然読んでないシュートボールも健在ですが、大丈夫か!?


他の作品は、まだ全部は読んでませんがお目当ての2人以外はあまりピンとこない印象。雑誌が保つなら単行本待ちでいいかなあというところですが、次回は近藤ようこが新連載ですか。ふーむ。鈴木志保はやはり良かったんですが、ある程度ページ数を重ねないと見えてこないところも多そうなので、早いとこ単行本で読みたいなあ。しかし鈴木志保の扉絵に無神経なアオリをつけて、シンメトリなデザインを台無しにした編集は猛省してください。