週刊少年サンデー 10号

鈴木央金剛番長」。新番長は、薔薇の花嫁を賭けて男装の少女と決闘でもしてそうな感じの白薔薇番長!……ではなくて、彼を闇討ちで倒した卑怯番長。こいつはこいつで面白そうだけど、白薔薇番長の活躍も、もうちょっと見たかったような……。
井上和郎あいこら」。最終回。世界中のステキパーツ持ち美女たちを引き連れてのハチの帰還。一方、4ヶ月の放置プレイの間に天幕もすっかり従順素直になっていて、パーツも愛も手に入れての完全ハーレムエンド。結局パーツか愛かというテーマには結着をつけないままの終了となりましたが、本作の原点に立ち帰ったかのような天真爛漫な最終回で、これはこれで良かったです。
キワキワな変態ネタ・オタクネタを、少年漫画としてギリギリ通用する形に上手いこと料理する井上和郎のセンスは本作でも健在で、一話完結なギャグ回の切れ味の鋭さには何度も舌を巻かされました。一方で、マクロなストーリーの盛り上がりは前作の「美鳥の日々」には及ばず、ラスト1年くらいは、ガチンコでハードな恋愛面とギャグとの折合いがつかずにだいぶ苦心していた印象。まあともかく作者はお疲れ様でした。ゆっくり休んで充電しての次回作に期待します。個人的には、井上和郎の長所は読切の方が出やすいと思っているので、次回作までの間に積極的に読切を描いていって欲しいなあと。