週刊少年サンデー 9号

田辺イエロウ結界師」。神殺しの後始末。時音にクギを刺したかと思えば奥久尼の手下に対しては時音の弁護に回り、さらに良守に説教垂れつつフォローもしたりと、閃ちゃん大活躍でしたね。
鈴木央金剛番長」。剛力番長が引き起こした東京壊滅の危機を、意外な知力を発揮して回避する金剛番長。頭もいいのか。しかし、せっかくの剛力番長の告白を金剛が「知ったことか――!!」でブチ壊しにしてくれたことを、貝裏鬼は生涯恨むことでしょう。
桐幡歩「鬼月」。読切48P。2004年にサンデー超に載った同名読切のリニューアル版ですね。記憶が定かではないんですが、筋もほとんど同じだったと思います。人と鬼が相争う世界。治癒能力を持つため、そうとは知らずに人に鬼の腕を付ける仕事をさせられてきた少女。足枷をはめられ、外に出ることを禁じられていた少女が、ある日傷付いた鬼と出会います。鬼は少女を外の世界に連れ出してやろうとしますが……。
物悲しくも美しい余韻を残すラストがたいへん印象的で、申し分のない読み応えと完成度でした。問題点は、サンデー超版もそうでしたが、週刊少年誌という舞台と作者の資質との乖離ですかね。明快なカタルシスのないストーリーや暗示を多用する構成は、作品の美点でもありますが、週刊少年誌に載せるにはちょっと難解だろうと思います。アクションをざっくり省略してしまうあたり、作者自身も少年誌向けという意識をあまり持ってなさそうですし。