レ・ミゼラブル 少女コゼット #51 「明かされた真実」

ラス前、マリウスに一方的な告白を残して姿を消すジャン・ヴァルジャン。一方テナルディエがジルノルマン家を訪問し、ジャンの過去をネタにマリウスを強請ろうとしますが、というお話。テナルディエの揺さぶりをことごとく切り返していくマリウスが、まるでヒーローのように格好良くてのけぞりました。どうしちゃったんだマリウス! ヘタレじゃない君なんて! そうして追い詰められたテナルディエがナイフを取り出したところを、ジャヴェールに取り抑えられて一件落着。
マリウスがジャンのことを終始信じていたおかげで、エピソードの持つ意味合いが大部弱まり (ありていに言えば、今回の話がなくとも次回には繋がると思う)、単なる勧善懲悪エピソードになってしまったのは残念。原作では、善人ではあるが仕方ない理由によりジャンを疑っているマリウスと、心の奥底まで小悪党なテナルディエが寄り集まったら、何故かジャンの無実が証明されてしまったという大逆転のカタルシスが見所だったわけですが。まあしかし、原作通りにやったら子供の視聴者はマリウスを許せなさそうですし、名劇としては仕方ないところですかね。

「だったら何度でも捕まえてやる! いつか貴様が悔い改め、まともな人間に変わるまで何度でもな!! ……テナルディエ。人は変わることができるのだ」

罪人を捕えて徒刑場に放り込むだけではなく、更正させて真人間に戻すまでを自らの使命とした新生ジャヴェールの物語、ここに完結。いやあ良かったなあ。
そんなわけで最終回は、旅に出たジャンを捜し出すコゼットとマリウスという話になる模様。コゼットに真実を言う勇気がないからって家出するようなヘタレ中年には、ビンタの一発もかましてやるといいと思います。