レ・ミゼラブル 少女コゼット #44 「未来へのともしび」

バリケード陥落。ほぼ完膚なき全滅エンド! 敵の捕虜となり、皆の目の前で銃殺されるプルーヴェール、撃たれて屋根から落ちるクールフェラック、最後まで生き残ったアンジョルラスとグランテールも、酒場の2階に追い詰められて蜂の巣。ここまで完全にやるとは思ってなくて、度肝を抜かれました。前回の展開が甘々だったのでちょっと舐めてましたよ。空気読んでない挿入歌がせめてもの緩衝材だったんでしょうか。
正義を信じて立ち上がった若者たちが、夢叶わず強大な力に押し潰されていく。けれど人間の歴史なんてそんなことの繰り返しで、こうして灯したともしびがいつか受け継がれていくのだという苦いにも程があるまとめ方は、原作通りとはいえ名劇でこれをやったもんかどうか、スタッフは迷っただろうなあ。本来の視聴者である子供たちはどこまで付いて来れたんでしょうか。個人的には断然支持しますが。
一方で、ジャヴェールとジャン・ヴァルジャンの関係も山場を迎えました。プルーヴェールを殺された報復に、捕虜のジャヴェールを殺そうとするバリケードメンバー。その役を自ら買って出たジャンは、密かにジャヴェールを逃がそうとします。しかしジャンが自分を殺すことを疑わず、自らの苛酷な生い立ちと、それに基いた犯罪者は変われないという信念を熱く吐露するジャヴェール! お互いの生き様 (しかもジャヴェールの場合、自分の命) を賭けた信念のぶつかり合いに、テンションが上がること上がること。
結局自分を殺さなかったジャンに絶対の信念を揺らがされ、崩れ落ちるジャヴェール。そしてなんとか生き残ったジャン・ヴァルジャンは、撃たれて重傷のマリウス君を抱えて、パリの下水道へ。

  • 「だって君は、やっとユルシュールと」「コゼットだよ」。忘れかけていた古傷を友にえぐられるマリウス君。輝いてます
  • コゼットに弟呼ばわりされたガヴローシュ君も、ある意味玉砕