レ・ミゼラブル 少女コゼット #40 「革命の夜」

バリケードの市民と警官隊の間で行われた初めての銃撃戦。革命のシンボルたる赤い旗が倒され、立て直しに行ったマブーフさんが銃弾の雨を浴びます。ついに本格的な戦闘が始まって、いよいよ革命編も佳境に差しかかろうかという話だったんですが、肝心の戦闘描写が展開、演出ともに緊迫感を欠いてしまった印象。前回、前々回の盛り上げ方が素晴らしかっただけに残念です。
マブーフさんが撃たれるシーンが、バリケードにバンバン着弾 → 驚愕する周囲の人々の顔 で済まされてしまって、悲劇というかギャグすれすれ。そして今わの際のマブーフさんを囲んで憤ったり泣いたりしているうちに、やすやすと警官隊にバリケードを乗り越えられてしまうお間抜けなアンジョルラスたち。いや、素人の集団戦なんてこんなものかもしれませんが。絶体絶命のピンチに颯爽と登場して、美味しいところを持って行ったマリウスくんも、マブーフさんの最期を「見ていた」と。どこから? 今まで何してたの!?
これまでも血や暴力描写を徹底して忌避してきたこのアニメ。名劇として、親が子に見せるのをためらうような内容にはできないという事情はよく分かります。しかしレ・ミゼラブルという題材を選択した以上、さすがにここばかりは必要な描写をきちんと入れていかないとドラマが成立しなくなってしまうんじゃないかなあ。
とはいえ、戦闘以外の革命の周辺描写は今回も良かったです。持ち合わせの錫や鉛で銃弾を作ったり、女たちが不安な顔をしながら包帯を作ったり、嵐の前の静けさに誰かが詩を朗読しはじめたり。一方、マリウスくんを密かに追ってきているヤンデレエポニーヌ。この展開で次回サブタイが「エポニーヌの恋」ですか。