レ・ミゼラブル 少女コゼット #32 「あの日の面影」

行くあても金もなく、孤独に街を彷徨うエポニーヌ。やっとのことで再会できたマリウスは相変わらず脳味噌が「ユルシュールさん」のことで一杯で、あろうことかエポニーヌにユルシュール捜しの片棒を担がせます。愛する人の為にとマリウスの想い人捜しをするエポニーヌでしたが、捜し当てた「ユルシュールさん」があのコゼットであることに気付いて、という話。
報われぬ恋に身を焦がし、自分のことなど眼中にない男の為に人捜しをするエポニーヌの健気さ。皮肉な運命に弄ばれ葛藤し、それでも想い人の幸せのために自らの想いを犠牲にする道を選ぶ、その愛の気高さ。これまでも薄幸少女としてキャラが立ちまくっていたエポニーヌでしたが、今回はまさにエポニーヌスペシャル回でした。脚本、演出、作画の全てがエポニーヌの可憐さ、健気さ、悲壮さを描き出すことに注力。成長後では初めて藤原宏樹が作監に立ち、作画的にも力の入った回でした。特にマブーフさんの家での水撒きシーン。スタッフからの愛されようも並大抵ではない様子。
エポニーヌが成長したコゼットに気付くエピソードは、20話ちかく前の伏線をさんざん引っ張っていたわりには、エポニーヌの悲恋のいち構成要素としてわりあい軽く片付けられてしまった印象。恋をすれば人は変わり、子供の頃のわだかまりなど瑣末な問題になるということでしょうか。
それにしてもマリウスくんは鬼畜すぎて最高。本当は全部分かってやってるんじゃないかと思いたくなるほど、的確にエポニーヌを傷付けていく手際にほれぼれしますよ。傷付けば傷付くほどエポニーヌが輝くことを知ってるんですよね?