ヤングアニマル No. 14

羽海野チカ3月のライオン」。待望の羽海野チカ新連載。主人公は17歳にして五段のプロ将棋棋士、桐山零。線が細くて内気そうなメガネ男子です。何か訳があって、今は師匠にして養父の家族の元を離れ一人暮しですが、和菓子屋の三姉妹に暖かく面倒見てもらってるという羨しい一面も。とりあえず主要キャラを顔見せする第1話で、背景は追々という感じ。
折込のカラー扉 (主人公+三姉妹) が17P目に入るのが面白いところですが、前半の冷たく緊張した父親との対局パートと、後半の暖かく華やかな三姉妹パートを分けるセパレータになっています。前半では「うそだ」の一言しか喋らない零が、後半ではそれなりに喋るようになるのも象徴的。イレギュラーなカラー折込はそれなりに高コストな筈ですが、こんなところにも編集部の力の入れようが窺えますね。しかしこれ、単行本ではどうするんでしょう。
羽海野チカらしいトラウマ持ちの主人公、シリアスな雰囲気と賑やかなギャグが同居する作風は相変わらずでした。「ハチミツとクローバー」でスマッシュヒットを飛ばした後、活動の場を青年誌に移しての新連載。世間の注目も集まり、アニマル編集部のプッシュぶりも並大抵のことではなくて様々な重圧もあったことと思いますが、まずは堅調なスタートを切ったと言えそうです。
東雲太郎キミキス」。新章開始で、3人目のヒロインはお嬢様。階段で友達とふざけているうちに通りがかった女の子と偶然キス、というコテコテの始まりでした。二枚目な光一のクラスメイト、柊明良も登場。名前つきの男キャラって光一以外では初めてじゃないかと思いますが、恋のライバルになったりするのでしょうか。まさか攻略対象ってことはないよね?