ロミオ×ジュリエット #03 「恋心 〜残酷な悪戯〜」

ジュリエットが芽生えた恋心にときめくのもつかの間、突然に背負わされたキャピュレットの家の名が、ロミオとの間に埋めがたい溝を作る話。細やかな心情表現に華麗なアクションと、演出、作画はここまで好調ですね。基本的に芝居も表情も硬めの作りなんですが、今回はエミリアの膨れっ面が可愛かったです。お話の性質上難しいところかもしれませんが、ふたご姫の原田大基をキャラデザ・総作監に据えてるのですから、時々は崩れた芝居も見てみたいなあと思ってみたり。
モンタギュー公のわかりやすい悪役ぶりは相変わらずですが、対するキャピュレット一派を突き動かしているものも、かつての惨劇に対する怨念であり、非生産的であることは変わらず。どちらが正義、という描き方にならなそうなので一安心です。まあ相変わらずロミジュリである必然性はさほど感じられないのですが (題名もキャラの名前も違う「ウエスト・サイド物語」の方が、ずっと色濃く原作の精神を受け継いでいると思う)、今時ラブロマンスをやるには、名作の看板が必要なんでしょうかね。
男装で喧嘩っぱやいジュリエットのキャラクターがやはり目を引きますが、舞踏会に忍び込むのがジュリエットの方で、ロミオの方に親が決めた婚約者があるところといい、ロミオとジュリエットの劇中の役割が転換しているように見えるのは、意図してやっていることなんでしょうか。