ふしぎ星の☆ふたご姫 Gyu! #52 (最終回) 「鳴りひびけ!☆平和のベル」

とうとうブラッククリスタルキングに捕まり、ハッピーパワーを根こそぎ吸われそうになるふたご姫。2人のピンチを救うのはみんなで歌う歌でした。みんなの歌を原動力にしたプロミネンスの力を、ふたご姫を仲介してブラッククリスタルキングに喰わせ続ける作戦に。ハッピーの食いすぎで破裂させてしまうというオチも、このアニメらしくて良かったなあ。ハッピーを吸われ尽くして笑顔を失うふたご姫というワンポイントを置いて、大円団のダンスパーティへ。奇を衒わず、王道の最終回でした。満足。
そんなわけで、ミルロが最後にいいところを持ってった!? 視聴者のみんなの願い (主として大きなお友達の) が通じたのか。感無量です。エドちんもエドワルドに戻れて良かったですが、せっかくビビンが「ブタちん」とネタふりをしてくれたのですから、一度くらいあの凛々しい姿でエドちん喋りをやって欲しかったなあ。
絵コンテ:佐藤順一、演出:奥野耕太、作監:細居美恵子。コンテ、演出の良さはもう言うに及ばず、作画も最終回に相応しい充実ぶりでした。細居作監でキャラの可愛らしさは極まっていましたし、原画にも作監クラスがゴロゴロ。そして燃える展開には燃える構図。囚われのふたご姫の向こう側で輝きを増すおひさまの国や、プロミネンスの力を受けてブラッククリスタルキングにハッピーパワーを浴びせるふたご姫といったダイナミックな構図が良かったです。無印最終回もそうでしたが、少女向けということで普段は抑えている男の子の血が騒ぐのか、ここ一番で繰り出してくるスペクタクルな絵作りがたいへん映えます。

総括

根本的なストーリー面の弱さは結局2期に入っても改善しませんでしたが、ゆるゆる〜っと見てるぶんには楽しかったのでまあいいです。2期ではふたご姫を成長済みの存在として描いていた分、周囲のキャラの変化に重点が移りましたが、その点ビビンが実に良く働きました。ビビンが登場し、エリザベータ様にも焦点が当たるようになった後半は、だいぶ上手くストーリーが回るようになっていたと思います。
一方作画面では、2期に入って劇的な向上を見せましたね。4クール物としては驚異的な高打率でした。単に安定しているだけではなく、若手アニメーターが何人も頭角を現しましたし、作監や演出の個性を楽しめる自由度を持っていたのも良かった。良好な制作体制を築けたのでしょう。できればふたご姫が終わっても引き続きこの制作チームでアニメを作ってほしいのですが、春の新番組にハルフィルムメーカーが居ないのが残念です。
ともかく、2年間の長丁場を本当に楽しませてもらいました。スタッフの皆様、お疲れさま。