天保異聞 妖奇士 #20 「不忍池子守唄」

脇差の妖夷を止めるために、母の前で日光編以来の駁変身。不忍池での怪獣大決戦は見応えある作画でした。歳三少年や養子往壓の話が駆け足になってしまったのは残念でしたが、変に美学に落ちることなく、現代的な視点から武士とは何か、武士として生きるとはどういうことかを問うていて、面白い話になっていました。
25年ぶりに会った息子を躊躇なく「往壓」と呼んだ感動の再会シーンを即座に引っくり返して、また底意地が悪いなあと思っていたら、もう一回引っくり返ってやはり母は偉大、というヒネり加減がなかなか良かった。とことん格好悪い役回りをやらされて咳払いする小笠原さんもいい。そして鳥居と往壓の浅からぬ縁。鳥居が往壓を奇士に組み入れさせた理由はこれか。
往壓と向かい合う母が良かったなあ。美人というわけではなく、歳なりに加齢もしている顔つき。かすかに微笑む表情からは、何を考えているのかは読み取れないが、それでいてどことなく母の包容力を感じさせる作画と演出。吉原編の清花もそうでしたが、通り一遍の美女ではない女の魅力を、上手く引き出せるキャラデザなんだと思います。