ウィッチブレイド #20 「願」

自分がもう長くないことを悟り、梨穂子を鷹山に託そうとする雅音。

「ねえ、あなた父親だって覚悟決めたのよね。だったら、少しずつでいいから梨穂子と親子になってあげて。あの子のパパは、世界にあなただけなんだから、ね」

梨穂子と鷹山を繋ぐ線が2本あることが、ここにきて話を読みづらくしているように思います。ひとつは梨穂子が血縁として鷹山と玲奈の子であるということで、もうひとつは、人間関係として梨穂子は雅音の子であり、雅音と鷹山が結婚すれば梨穂子は鷹山の子になるということ。かつては血が繋がってなくとも自分と梨穂子は親子だという結論に達した雅音でしたが、今回の上記のセリフが後者の意味で出てきたとはちょっと考えにくいです。まあ本来は、自分と鷹山の関係が築けてから話に出したかったが、自分の命がせっぱつまってきたことで血縁をタテにせざるをえなかった、というところでしょうか。
結局のところ血は水よりも濃いという結論に達した、という可能性も否定はできませんが (梨穂子を玲奈から取り戻したのも、見方を変えれば玲奈が死んだから、玲奈の代わりに引き取ったという言い方もできるわけで)。血縁を度外視するならアパートの面々に託すという方向性もあると思いますし (収入や甲斐性を考えて鷹山の方を選んだというなら、それはそれでナンですね。でも金にこだわる雅音ならあり得る?)。
可能であれば2つの線を解きほぐしたうえで、きちんと結論を出してほしいところですが、残り4話でできるでしょうか。最終的に雅音が生き残って、鷹山と家庭を持つなら結果オーライという話でもあるんですが、それだとちょっと拍子抜けですよね。


アパートの面々の前でノロケる雅音は、ナマナマしいなあホント。やれやれといった感じの面々の反応が面白い。鷹山と梨穂子のデートは、ギクシャクした感じが非常によかったのですが、梨穂子のいい子ぶりに頼り過ぎている感はあります。
限界が近いのでなるべく変身しないようにしていた雅音でしたが、ウィッチブレイドが梨穂子に取り憑こうという素振りを見せたため、梨穂子を守るためにウィッチブレイドになります。敵を破壊するものの倒れる雅音。ラストの金魚がエグいなあ。