シムーン #12 「姉と妹」

今回も期待通り、いや期待以上に姉妹の濃ゆい愛憎をたっぷりと見せてくれて、もう満腹です。
カイムとアルティでパルを組むよう命令するドミヌーラ。アルティは喜び、カイムは反発するものの、逆らうことはできず。アルティ-カイム、アーエル-ネヴィリルで偵察に出ますが、アルティ-カイム機は不調、コントロール不能に陥ります。アルティ-カイム機を追ううちに、雲の中で礁国の空中補給基地を発見。ネヴィリルとカイムが潜入するが、というお話。
まずはトラウマスイッチが入ったカイムがシャワーを浴びながら呟くシーン。

「落ちないんだ。何度洗っても、洗っても……落ちてくれない」

俯き歯を食いしばるカイムの横顔。この構図は西田亜沙子の十八番ですね。
敵基地に潜入したアルティ、ネヴィリルと、待機するカイム、アーエルの会話が交互に描かれ、浮かび上がる姉妹の関係と、お互いの心情。特にカイムの被害妄想。カイムとアルティの間に性交渉があったことは、これまでも断片的に提示されていましたが、アルティが強引にやったんじゃなくて、カイムの誘い受けだったと。いや、「知らなかった感覚をくれた手」というアルティの台詞を鑑みれば、リードしていたのもカイムかもしれません。事後カイムは罪悪感でアルティを避け、自己暗示で悪いのはアルティだと思い込み、一方アルティは姉スキーを加速させた、ということのようです。
敵兵に見付かり、逃げるカイムにシムーンから救いの手をさしのべるアルティ。しかしカイムはその腕に飛び込むことができない。飛び込んで和解か、さもなくば落ちて死か!と思わせて、そのどちらでもない地点に着地するのはいかにもシムーンらしい。結局姉妹の仲は改善されず。前よりも悪くなったかもしれません。
追撃を逃れ、メッシスに戻った2機。

「ねえ、アムリアとは抱きしめ合えなかった?大丈夫だよ、あたしとなら」
「あなたの瞳に映っているのは、永遠に歳を取ることのないあなた自身の姿。私じゃないのよ」

アムリアの名前を出し、解りやすい地雷を踏んだアーエルは、ネヴィリルにきつい一撃をもらいます。この続きは次回の模様。
ラスト、腕の傷をなめて「同じ味だ」と呟き、アルティとの断ち切れない血縁関係を呪うカイム。アルティの血をいつ味わったのかと考えると、意味深ですね。普通に考えれば出撃前のキスをした時に、アルティの唇を噛み切ったと解釈できますが、そのものズバリのシーンは描かれていません。カイムが出撃前に自分の唇を血が滲むほどに噛みしめていて、その血がキスしたときにアルティに付いたのだと考えると、アルティの血を味わったのは、やはり「あの夜」?
シヴュラたちの集団生活描写の面白さはもうガチ。アルクス・プリーマに戻ったらこれが見られないと思うと、複雑な気持ちです。
細切れのタマネギを避けるユン。ワポーリフとの距離がだんだん近付いているモリナス。フロエとマスティフは、結局作戦後には再会しなかった様子です。会っていたらまたエグい展開だったでしょうから、これでよかった。
ロードレアモンは嵐が怖いだろうからと、リモネを自分のベッドに誘います。ほんとは自分が怖がっているくせにと、マミーナの厳しいツッコミ。しかしロードレアモンの気持ちを察してベッドを移るリモネはたいへんかわいい。その後、リモネを寝かしつけるため (と称して自らの不安を紛らわせるため) に子守歌を歌うロードレアモン。歌が止まるまで起きていてあげるユン。
あと、アイキャッチのカイム、アルティが両方エロ!