霧恵マサノブ 「海宴」 (ヒット出版)

シリーズ第3巻にして、霧恵マサノブリヴァイアサン・サーガここに堂々の完結。シリーズを引き継いだ連作短編形式の群像劇は、次第に正宗と小烏葵の恋愛劇を中心に回りはじめ、「海と神と贄の宴」前・中・後編でクライマックスを迎えます。そして衝撃の展開から、各キャラの10年後を語るエピローグ。
相変わらずのすば抜けた構成力で読ませるストーリーが実に面白かったです。連綿と流れる膨大な伏線を捌き切った技量もお見事。そしてドラマの盛り上がりに負けないハイテンションなエロ描写、それによって描かれる人と人の繋がり、それら全てを飲み込む豊穣な生命の連なり。生命賛歌だなあ。
エロ非エロを問わず、近年稀に見る読み応えでした。次回作にも期待です。