ポルフィの長い旅 #28 「シシリアン・ラプソディ」

ジャックとモニカの幸せな婚約の一日。しかしその裏では、女子供たちの預り知らぬところで繰り広げられる、ファミリーの利権を巡る血みどろの粛清劇。ゴッドファーザー! まさか名作劇場でここまでぬけぬけとギャングドラマをやってのけようとは……! 本当にポルフィスタッフは油断ならんなあ。バイオレンスなシーンはかけらも出さずに、ただ名簿の名前を消していく演出が怖すぎる! 結局何も知らぬままシチリアを旅立ったポルフィ。ファミリーの暗部も知りながら、それを胸に秘めつつファミリーと距離を置いた生き方をしようとするジャックの生き様も味わい深いです。

「チッチさんて親切な人だね」 (ポルフィ)
「仲間には優しく、敵にはもっと優しく、か……」 (ジャック)

「父から伝言があります。ニューヨークの掃除は任せてほしい。島の掃除はお願いする」 (ジャック)
「お互い、靴の中の小石を取り除くことで結納としよう」 (ドン・マンシーニ)

「後で一緒にミサへ行かないかね。久しぶりに、神への祈りと懺悔をしたい気分だ」 (ドン・マンシーニ)

「私は今、死人と話しているんだ。もう少し静かにしたらどうかね」 (ドン・バルバッツァ)

シチリアの血の重さを、君もいつか分かる時がくる」 (トマトを手渡しながら)。そして家に帰るとドン・バルバッツァがミネストローネ (トマトのスープ) を作ってるって、何てブラックな暗喩なんだ!
教会での説法と平行する粛清シーン、通底するパイプオルガンという、ゴッドファーザーオマージュなBパート冒頭の緊張感は、本当にものすごかった。神父の引用する聖書の内容がまた面白いです。

「私に味方しない者は私に敵対し、私と一緒に集めない者は散らしている」 (マタイ伝12章。ちなみにこのイエスの言葉の冒頭部分は「どんな国でも内輪で争えば、荒れ果ててしまい、どんな町でも家でも、内輪で争えば成り立って行かない」)
「剣を鞘に収めなさい。剣によって生きる者は、剣によって死ぬ」 (マタイ伝26章)