ポルフィの長い旅 #20 「洞窟の街」

電車に乗ってブリンディシを離れ、北を目指したポルフィ。ところが気がつくとなぜか西に向かっていて、辿り着いたのは石造りの街、マテーラ。乗り過したのか、あるいははじめから乗る電車を間違えていたのか、なんにせよどこに行くかすら決めてなかったポルフィ君は無計画すぎる! というか、ブリンディシでしばらくお金を貯めたり腕を磨いたりするものかと思っていたのに、あの様子だと翌日すぐ旅立ったのかな? せっかく前回あんなに身になるお説教をしてもらったのにこの有様かよとは思いますが、まあまだまだ先は長いということですかね。
世界遺産にもなっているマテーラの洞窟住居は、岩山全体を覆うその遠景から迷宮のように入り組んだ近景まで非常に丹念に描写されていて、おとぎ話に迷い込んだかのような異世界的演出が秀逸。普段から出来のいい美術が今回も実にいい仕事をしていて、佐藤明機漫画大好きな私には、この密集感が堪えられません。このぶんだと紀行モノとしても期待できそうですね。