ヤングチャンピオン烈 Vol. 12

掘骨砕三、冬長というフラミンゴ系漫画家に続き、ガロ系大越孝太郎まで参戦。サブカル、というより猟奇繋がりでしょうか。ただエロさを追求するだけではなくなってきていて、目が離せない雑誌です。
Cuvie「NIGHTMARE MAKER」。連載第2回。フラれた男が悔し紛れに、自分を振った女の子との淫夢に耽る話。惨めよのう。Cuvieについては、ドロテアが終了して次の一手がどこになるのかも気になるところ。
大越孝太郎「誘蛾灯街の標本」。国勢調査で遠くの街の老婆を訪ねた調査員の男が、忘れ去ったはずの己の過去と妄想が入り交じった不思議な領域に足を踏み入れて、という感じの新連載。大越孝太郎らしくスタイリッシュな描線で描かれたサイコホラーで、さすがに猟奇臭はほとんどないものの、異常性癖はばっちり。先が楽しみです。
掘骨砕三「白い竜」。食用恐竜を飼い、恐竜の足丸々一本のハム作りに挑戦する畜産農家の娘さんのお話。畜産農家としての日常感の描写、センス・オブ・ワンダー、そしてちょいグロが見事に融合していて、なんとも不思議な味わいです。恐竜畜産というフィクションの上に手応えのあるディテールを積み重ねて、お仕事漫画としても読めそうな説得力とカタルシスを生み出してしまう奇跡。掘骨砕三はすごいなあ。