霧恵マサノブ 「海贄」 (ヒット出版)

待望の LeviAThaN (レビアたん) シリーズ2巻目。前巻に引き続き、スクール水着幼女な神様、レビアたんと貧乏大学生正宗を中心とした連作短編集です。一話一話はシリアスからバカギャグまで取り混ぜたバラエティ豊かな短編エロ漫画でありながら、全体としては一つのサーガを形作っているという構成の妙技は今回も素晴らしく、実に読み応えのある出来。クソ細かいフォントで3Pゴリゴリ書かれた後書きもまた読み応えバッチリです。
エロ面では、乱交緊縛レイプ近親触手等々、(恐らくは意図的に) 様々なバリエーションを取り入れたダイナミックなエロシーンが見所。この巻には入りませんでしたが阿口云9月号の「屋上と同性愛」を含めると、阿口云のタブーであるレズ、オナニー、触手を制覇したことになるわけですな。ただしこの人の場合、明らかにエロは目的ではなく表現の手段で、セックスを通して描きたいものが見えてしまう分、やはり実用面ではイマイチ。まあでもこれはこれでいいんだと思います。成年マークとは元来、マークのない一般漫画の内容を包含し、かつマークなしでは不可能な表現を含む、より自由な漫画を示すものだったはずで。